サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

意外に自転車が走りやすいフィリピンの街

2024年11月23日

 昨年(2023年)6月にフィリピンに一月間、語学留学しました。

 フィリピンは、英語が公用語になっており、また英語の訛りも少ないので、リゾート地で知られたセブを中心に、外国人向けの英語学校が多くあります。元々、韓国人が子どもに英語を勉強させるために作った韓国資本の学校が多かったのですが、現在は日本人経営のところも増えています。

 私が行ったのは、セブ島の隣のネグロス島にあるドゥマゲテという街にある小さな学校です。ドゥマゲテは、アメリカの経済誌「フォーブス誌」で「リタイアするのに世界中で最も適した7つの場」の5位にランキングされており、アメリカ人も多く住んでいます。治安もほぼ問題なく、人口13万人とそれほど大きな街ではありませんが、大きなショッピングセンターもあり、暮らしやすい街です。

 フィリピンでは、「トライシクル」と呼ばれる、125cc程度のオートバイにサイドカーを付けたバイクタクシーが多く走っています。最大、サイドカー4人、オートバイ本体にドライバー+2人、計7人も乗るので、時速十数キロ程度とゆっくりしか走れません。ドゥマゲテの街では、特にこのトライシクルが多く走っており、クルマもゆっくり走っています。フィリピンのような暑い国では、自転車はあまり使われておらず、ドゥマゲテでも自転車は多くはないのですが、交通全体がゆっくりなので、自転車もそのスピードを合わせて走ることができ、意外と自転車が走りやすいのです。クルマのスピードを落とせば自転車が走りやすくなる、ということが実感できます。

ドゥマゲテの街を走るトライシクル

 私は、このとき、日本から自分の自転車を持って、セブまで行き、そこからドゥマゲテまで自転車で、島を渡るときはフェリーで行ったのですが、セブシティーの大通りには自転車レーンや自転車道もありました。セブというとリゾート地のイメージが浮かびますが、セブシティーは、リゾート地からはやや離れたところにある、フィリピンではマニラ首都圏に次いで大きな都市圏で、一般庶民が多く住む街です。やはりあまり自転車は走っていませんが、そんなところでも自転車道が整備されているのです。

セブシティーの自転車レーン・自転車道

 フィリピンでもスポーツバイクに乗る人は増えているようで、セブシティー−ドゥマゲテ間を走っている時には、何人かサイクリストに会いました。私がかつて行ったインドネシアでも多くのサイクリストに会いましたし、タイでも自転車道が整備されているという話を聞きます。自転車のブームと、自転車道の整備は途上国も含めて世界の大きな流れになっているようです。

セブ−ドゥマゲテ間で会ったサイクリスト達。手前中央は私の自転車

ページの一番上へ