サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

環境先進都市であり自転車先進都市のポートランド

2025年1月11日

 ポートランドは、オレゴン州で最大の街で人口は約60万人。全米で「最も住んでみたい街」と呼ばれ、環境先進都市としても知られています。
 ポートランド中心部を歩くと、アメリカの他の街に比べて街がコンパクトに作られていることに気づきます。アメリカの多くの街は、クルマの移動を基準に作られており、1ブロックのサイズが100m〜120m程度。対してポートランドでは約60mとなっています。
 自転車先進都市としても知られており、1995年『自転車マガジン』誌の「自転車ナンバーワン都市」に選定、また、2003年には全米バイシクリスト連盟(LAB)の「自転車にやさしい地域・金賞」を大都市として初めて受賞しました。市内には約500kmの自転車道・レーンがあり、約6%の通勤者が自転車で通っています。
 次の図は、ポートランド中心部の自転車地図で、紺色の線が自転車道や歩行者自転車道、青い線が自転車レーン、緑がクルマと共用だが交通量が少なく低速で、路面に自転車マークが描かれた道です。

ポートランド市公式サイト Bike and Walk Maps of Portlandより
街全体の地図はこちらで見ることができます。

 次の写真は、街の中心部を流れるウィラメット川沿いの自転車道です。川沿いは公園になっていて、それに沿った通りに車道と分離された自転車道が整備されています。

 街の中心部から川沿いの自転車道を北上、河川敷の遊歩道に出て橋で対岸に渡れます。

 対岸を自転車歩行者道で南下していきます。道は川に浮いています。

 街の中心部の南側で再度橋を渡って中心部に戻れます。このTilikum Crossingと呼ばれる橋は、公共交通と自転車、歩行者専用です
 写真の真ん中に写っている黒い標識のようなものは、自転車台数のカウンタです。今日走った台数と、今年走った台数が表示されています。


 このように、川沿いを途中2つの橋を渡って、車の通らない道で一周できるようになっています。一周は約7kmです。

 他の場所も見ていきましょう
 この写真は、自転車レーンが交差点の手前で、トラム(路面電車)の線路を横切ります。線路を斜めに渡るとタイヤを取られて転ぶ可能性があるので、自転車レーンをわざと曲げて線路に直角に渡るようになっています。

 自転車道が分岐して自転車用の橋を渡るところで歩道を横断するので、自転車の走り方が細かく指定されています。

 ここは、自転車レーンがありますが、バスレーンも自転車が走っていいことになっています。

 次のようなお遊びもありました。


 街の中心部に100mほどだけですが、自転車と歩行者専用の商店街がありましたが、残念ながら歩行者はほとんどいませんでした。

 上の通りが始まる場所に、次のような、モニュメントがありました。
 ズーボンブと呼ばれる年に一度行われる伝統行事があり、10代後半の若者が小さな自転車に乗ってポートランド動物園近くの急勾配を夜間に下るそうです。その自転車は、イベントが終わるとこのモニュメントに縛り付けられて再度翌年使われるとのことです。

 シェアサイクルは、「バイクタウン」という名のものがあります。旅行者でもスマートフォンのアプリをインストールすることで気軽に使えます。壊されないように非常にがっしりした自転車で、重たいですが電動アシスト付きなので、楽に走れます。

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