サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり
アメリカのバスに自転車を載せる
2025年2月8日
2024年に訪れたアメリカの大きな街では、いずれも市内のほとんどのバスに自転車ラックが付いていて、自転車を無料で載せることができました。
順番に写真で見ていきましょう。
まずは、ロサンゼルスです。後で紹介する他の街でもそうですが、バスの前に2台ないし3台の自転車が固定できるラックが付いています。
サンディエゴのバスに私の自転車を載せているところです。写真の角度の関係でわかりにくいですが、2両連結の連節バスです。
自転車の積載はお客さんが自分でします。ラックに自転車固定の手順が書かれていて、それに従うと初めてでもそれほどまごつかずに載せることができました。
ヨーロッパではバスの後ろに自転車ラックが付いているのですが、アメリカではたいてい前に付いています。前に付いているラックのいいところは、ドライバーから見えることです。お客さんが自分で固定するので、ちゃんと固定されているかドライバーから見える必要があるのでしょう。対して、後ろのラックのいいところは、自転車を縦に積めるので台数が増やせることです。
次の写真は、ルクセンブルクで撮ったドイツの格安バス会社フリックスバスです。
サンディエゴでは、小型のバスにもラックが付いていました。
次は、サンフランシスコのトロリーバスです。
シリコンバレーの街、サンディエゴのバスです。
環境先進都市として知られたポートランドのバスです。
ポートランドでは、自転車ラックが車内に付いたバスも見ました。
扉に自転車マークが描かれています。
残念ながら乗ることはできませんでしたが、車内に前輪が固定できるラックが搭載されていました。
グランド・キャニオン国立公園では、公園入場料(徒歩や自転車の人は7日間まで20ドル)を払うと、公園内を走るバスに乗り放題になります。そのバスにも自転車ラックが付いていました。
このように、アメリカでは市内のバスなど短距離のバスには自転車を載せることが当たり前になっており、よく使われています。ただし、長距離バスでは、そうではありませんでした。
私は、ロサンゼルス−サンフランシスコを上に写真を載せたフリックスバスで移動。サンフランシスコ−ポートランドはサクラメント経由になり、サンフランシスコ−サクラメント間は、アメリカの長距離バスとして昔から定番のグレイハウンド、サクラメント−ポートランド間はフリックスバスで移動しました。フリックスバスは、元々ドイツの会社ですがアメリカでも多く走っています。
ロサンゼルス−サンフランシスコ間は、自転車を問題なく荷物室に載せてもらえました。しかし、サンフランシスコ−サクラメント間では、「今回は載せてやるが、次回からはダメだ」と言われました。「パッキング(輪行)したらどうなのか?」と聞いたのですが「公式にはダメ」とのことでした。
サンフランシスコ−ポートランド間は、最初に予約していたサクラメントからのバスが、突然運行休止になったとメールで連絡があり、翌日の便に振り替えになりました。そのせいかバスが満席で、「荷物室がいっぱいなので自転車は載せられない」と言われてしまいました。「3日後にポートランドから日本に帰らないといけないんだ」となんとか食いさがったのですが聞いてもらえず、それでもしつこくお願いすると、「翌日のバスに自転車を載せてポートランドまで届けてあげる」ということになり、無事ポートランドで自転車を受け取ることができました。ただし、このように長距離バスの場合は、載せられないことも多いようです。