サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

パリでガイド付きE-Bikeツアーに参加した

2025年2月15日

 「サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり」、いよいよ世界の自転車最先進地・ヨーロッパ編です。

 ヨーロッパの多くの観光都市では自転車でめぐるガイド付きのシティツアーが提供されています。2022年にヨーロッパを訪れた際、パリでE-Bikeツアーに参加しました。ツアーは、パリ市役所の観光案内所で紹介された「PARIS BIKE TOUR」が実施する3時間のプログラムで、参加費は65ユーロ(当時のレートで約9千円)でした。

 次の写真がツアーで使用されたE-Bikeです。一般的なママチャリに電動ユニットを後付けしたような自転車でした。ただし、日本よりもアシスト制限が緩いため、少し漕ぐだけでグッと進む感覚がありました。

 なお、ツアーでは電動ではない自転車が使用されることが多いようで、店舗内には多数の通常の自転車が置かれていました。

 ツアー参加者は7人で、特にサイクリストというわけではない一般観光客のようでした。英語ガイドによるツアーだったため、おそらく皆さんフランス以外からの旅行者だと思います。

 最初の訪問地は、「PARIS BIKE TOUR」の店舗近くにあるポンピドゥー・センター。「この建物は、骨組みや空調ダクトなどが建物の外に配置され、通常の建築とは内外が逆転している」との説明がありました。

 その後、パリの中心部、下町の狭い道を自転車で走って行きます。

 パリで最も古い広場と言われるヴォージュ広場。

 学校の校庭に残る、かつてパリを囲んでいた城壁の跡といった穴場も訪れました。

 修復工事が完了したノートルダム寺院(ツアー当時はまだ修復中)。

 パリでは自転車道の整備が進んでいるものの、交通量の多い道路を走る場面もありました。

 実は、海外のサイクリングツアーでは、日本ほど安全管理が厳格ではありません。このツアーも、ガイド1人が観光客7人を引き連れる形でしたし、出発前に特別な走行ルールや安全に関する説明はなく、参加者もヘルメットを着用していませんでした。自己責任の文化が根付いているため、それが問題視されることはないようです。

 一方、日本では事故が発生した際に主催者責任が問われるため、安全管理を徹底する必要があります。その結果、ツアー開催のハードルが高くなっているのが現状です。

 ツアーの最後に、ガイドが「今、パリは大きく変わっている。セーヌ川沿いの車道が歩行者と自転車の専用道になった。パリもヨーロッパの北の国々に近づいているんだ!」と説明してくれました。そして、かつて車専用だったのが今は自転車専用になったトンネルを通り、元自動車専用道路だったところが歩行者・自転車用になったセーヌ川沿いの道を自転車で走り、店舗へ戻ってツアーは終了しました。

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