サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

自転車都市へと大きく変わりつつあるパリ

2025年2月24日

 今、世界で自転車に関して一番大きく変わりつつあるのは、パリでしょう。

 パリの変貌については、既にネット上の多くの記事で紹介されていますが、ここでは、私が2022年に見てきた状況について紹介します。

 次の図は、パリの第2次自転車計画での自転車走行空間ネットワーク作成計画の図です。私が見た感じでは、ほぼこれが実現されているようでした。現在は既に第3期の自転車計画が実施中で、さらに自転車が使いやすい街へとパリは変わりつつあります。

Plan Vélo 2015-2020より
http://actionbarbes.blogspirit.com/media/02/02/4293917239.pdf

 まずは、パリ中心部のリヴォリ通りです。写真の右に写っているのがルーヴル美術館。この先に行くとパリ市役所もある、まさにパリのメインストリートです。

 元々、写真の右側が自転車レーン、真ん中の2車線はクルマのレーンだったのが、現在ではこれも自転車レーンになり、多くの自転車が走っています。クルマのレーンは左側の一車線のみで、バスやタクシーなどの許可車のみが通行できます。写真には電動キックボードが写っていますが、2023年4月に住民投票によりシェアリングの禁止が決まり、今はほとんど走っていないそうです。

 同じくリヴォリ通りのパリ市役所前。ここは、一般のクルマ用の車線もありますが、道の片側に双方向の自転車道が作られています。シェアサイクルのヴェリブもよく使われています。

 カーゴバイクもよく見かけます。

 次の写真は、ルーヴルに次いで有名はオルセー美術館前。ここも同じく道の片側に双方向の自転車道が整備されています。

 高級ブランド店が並ぶシャンゼリゼ通りにも自転車道はあります。ただし、幅は狭めで石畳なので走りにくいです。

 こちらは、バスレーンと自転車レーンが共用になっているところ。

 交差点には右折の自転車の待機場所も設けられています。

 自転車用の信号もあります。

 クルマが一方通行の狭い道でも、自転車は逆方向にも走れるようになっています。

 十年以上前に作られた自転車道には、このように歩道側にあって狭いところもあります。

 凱旋門の周りのロータリーをショートカットする、元はクルマ専用のトンネルも、今は自転車専用になっていました。

 セーヌ川を渡るベルシー橋には、地下鉄(この区間は地上を走行)の高架橋の下に自転車道がありました。雨が降っても濡れずに走れます。

 パリにもこのような高層ビル街があります。中心部から7キロほど離れたラ・デファンス地区です。歩道側の自転車道に加えて、新たに車道側にブロックで区切って自転車道が作られていました。

 ここ以外にも、パリのあちらこちらで車道をブロックで区切って仮の自転車道が作られていたり、自転車道の工事が行われているところが多くあり、今後さらに整備が進んでいきそうでした。

 

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