自転車がつくる未来 世界最先進地ヨーロッパより

❺世界一の自転車先進国・オランダ

2023年3月12日

首都アムステルダム中心部は交通の半分以上が自転車

自転車の多い街

 世界で最も自転車利用環境の整備が進んだ国はオランダでしょう。オランダ全体で通勤・通学の交通のうち3割以上が自転車と言われています。
首都のアムステルダム中心部では、交通の半分以上が自転車で、本当に自転車の多い街です。

メインストリートのダムラック通り(正面の建物がアムステルダム中央駅)

 上の写真は、メインストリートで、正面の建物が東京駅のモデルになったとも言われるアムステルダム中央駅です。この道は、かつては両側で4車線の車道だったそうですが、今では、写真の左から、広い歩道、自転車道、トラム(路面電車)、一方通行1車線のみの車道、反対行きの自転車道、そして再び歩道というように、まさに歩行者、自転車、公共交通が平等に分け合っています。この道だけが特殊なのではなく、アムステルダム市内ではこのような道が普通です。車線は、車の幅ギリギリしかなく車は時速30kmくらいでゆっくり走っていて、人口80万人という街の規模の割に車は少ないです。

車はゲスト

 下の写真のような道もあります。「自転車通り 車はゲスト」と書かれており、ここでは車は自転車を追い抜かしてはいけません。

自転車優先道路(路上には「自転車通り 車はゲスト」の文字が)

 自転車が歩道を走ってはいけないのは当然ですが、歩行者が自転車道を歩いても、すぐに自転車の人に怒られます。また、大陸部のヨーロッパでは車は右側通行なので、自転車も必ず右側通行です。逆走しようものなら、やはりすぐに怒られます。自転車が次々と時速20kmくらいのかなりのスピードで走ってくるので、人が歩いたり、逆走なんかすると危なくてしょうがないです。
 交差点では、車の前で自転車が信号待ちできるようになっていますし、街なかのあちこちに駐輪ラックが設けられています。オランダでは、自転車の利用を増やすには、とにかく利用環境を整備すること、という考え方だそうです。

「滋賀民報」2022年12月11日号より

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