自転車がつくる未来 世界最先進地ヨーロッパより

❼様々なサービスが受けられる駅前駐輪場

2023年4月8日

自転車の修理、販売、レンタル、洗車機も

ドイツの駐輪場は

 ヨーロッパでも、最寄りの駅まで自転車で行きそこから列車で通勤する人は一般的で、駅前には駐輪場が設けられています。写真は、「ドイツで一番自転車にやさしい街」と言われるミュンスターの駅前駐輪場です。右側に少し見えている赤い建物が駅舎で、その目の前にあります。斬新なデザインのガラス張りの建物が入り口。スロープを降りた地下に、日本の駅前駐輪場にもよくあるような2段式のラックが並び、3300台の自転車が収納できます。

ミュンスターの駅前駐輪場入り口

子ども乗せや荷物運搬用も借りられる

 日本と違うところは、駐輪以外に様々なサービスが用意されていることです。まず、自転車整備士が常駐し自転車の修理を行ってくれます。朝、出勤時に自転車を預けておけば、帰りには修理ができているということです。自転車用品や自転車自体も販売されています。自転車の自動洗車機やコインロッカーもあります。レンタサイクルも用意されています。通常の自転車だけでなく、子供乗せ自転車、チャイルドトレーラー(子供を乗せるリアカー)や、タンデム(2人乗り)自転車、リカベント(寝っ転がった姿勢で乗る自転車)、カーゴバイク(荷物運搬用自転車)なども借りられます。荷物を運びたいときは駐輪場に行ってカーゴバイクを借りればいいのです。

様々なタイプのレンタサイクル

オランダで進む駐輪場の整備

 自転車先進国のオランダは、以前は駐輪場に関してはドイツより見劣りしたのですが、近年急速に立派な駐輪場が整備されています。自転車先進都市として知られたユトレヒトの中央駅前に19年、1万2500台収容の世界最大の駐輪場がオープンしました。特徴は3階建の駐輪場のどこのフロアにもスロープで自転車に乗ったままスピードを落とさずに入っていけるということです。
 日本の駐輪場も収容台数ではヨーロッパに負けてはいないのですが、サービスに関してはぜひ見習ってほしいものです。

「滋賀民報」2023年2月12日号より

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